ゴリラから考える子どもの権利
今回も、ゴリラの話をしたいと思います。
ゴリラは、力が強くてこわい動物だと、思われがちです。でも、前回もお話ししたように本当のゴリラは、とても静かで穏やかな動物です。
ゴリラは、たくさん鳴くことはありません。そのかわりに、目の動き、体の向き、しぐさ、声の大きさなどを使って、仲間と気持ちを伝え合います。
例えば、
・危ない時は、低い声で仲間に知らせます
・子どもが怖がっている時は、近くにいて抱き寄せます
・もめごとが起きそうな時は、リーダーのゴリラが間に入って、けんかを止めます
ゴリラの社会では、だれかのサインを見逃さないことが、仲間と生きていくためにとても大切なのです。子どものゴリラは、親や仲間に守られながら、少しずつ、自分の気持ちを伝えることを学びます。怖い時、悲しい時、助けてほしい時には、声や仕草で「伝え合い」をするのです。
人間の子どもは、どうでしょうか。「子どもだから」、「まだ小さいから」と、気持ちや意見を聞いてもらえないことはないでしょうか。「子どもの権利条約」では、子どもは、自分の意見を言い、それを大人にちゃんと聞いてもらう権利があることが約束されています(第12条)。
子どもが自分の意見を言うことは、わがままなことでは ありません。それは、自分を守るための大切なサインです。ゴリラが、仲間のサインを受けとめながら穏やかに生きているように、人間の社会でも、子どもの声や気持ちが大切にされることが必要です。
東山動物園でゴリラを見た時、「子どもの意見が聞かれる権利」について考えてみるのも良いですね☆
参考文献:山極寿一(2018)『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』毎日新聞社
名古屋市子どもの権利擁護委員 谷口由希子

