制度改善・公表
制度改善
擁護委員には、個別の相談対応だけでなく、子どもの権利がより確実に守られる社会をつくるための制度改善の役割もあります。
相談や申立て、擁護委員自らの発意に基づく調査・調整の結果、子どもの権利が十分に守られていないと判断した場合には、条例に基づき関係機関に対して制度の改善を求める「勧告」や「要請」を行うことができる、強い権限を有しています。
さらに、改善が見られない場合には、再勧告・再要請を行い、その内容を公表することが条例で定められています。
多くの場合、こうした強い権限を行使するまでもなく調整を進める中で関係者の協力が得られ、具体的な制度改善が図られています。
このように、なごもっかは個別の支援にとどまらず、子どもの声を社会に届け、制度や仕組みそのものを見直す働きかけを行うことで、子どもの権利が守られるまちづくりを進めています。
これは、他の相談機関と異なる、大きな特徴です。
制度改善の取り組みの例
1つ1つの相談から制度や仕組みの改善に繋げること、そして子どもと一緒に制度改善に取り組むことを、なごもっかは大切にしています。
学校施設の安全確保に関する申立て及び発意
2023年1月、名古屋市立高校の生徒から老朽化した校舎の安全確保と改修を求める申立てがあり、擁護委員は生徒とともに学校や教育委員会に働きかけながら調整を進めました。協議の結果、校舎改修の設計費用計上、体育館窓ガラスへの防護対策、生徒意向調査の実施など、子どもの声を反映した具体的な改善が実現しました。
申立て終結後、市内全校の安全確保に向け擁護委員の自己の発意として調査を継続し、安心して学べる環境づくりをさらに推進しています。
私立高校入学試験における合理的配慮の実施に関する申立て
2024年、名古屋市立中学校の生徒からの申立てを受け、調整の結果、私立高校入試で合理的配慮(別室受験・時間延長・問題文読み上げ)が実現しました。今回の取り組みで、障害のある受験生が安心して受験できる環境づくりに一歩前進しました。今後は、申請方法の明確化や柔軟な運用、共通フォーマット整備など、より公平でスムーズな仕組みづくりが期待されます。
学校教育における外国につながる子どもの権利保障についての発意
外国につながる子どもや保護者への支援不足に関する相談を受け、擁護委員は2022年12月に自己の発意調査を開始しました。教育委員会との協議を重ねた結果、翻訳文書の整備、通訳・相談窓口の改善など具体的な仕組みが構築されました。今後も、社会の変化に応じた見直しや教職員研修を通じて、子どもの多様性を尊重する教育環境のさらなる充実が期待されます。
このような条例に基づく活動に加え、普及啓発の一環として国などへ制度改善の提言も行っており、なごもっかの特徴的な取組みです。